低音部
ていおんぶ
名詞
標準
bass register
文例 · 用例
そして同じ低音部だけを繰り返し繰り返しさらっていた。
— 寺田寅彦 『春寒』 青空文庫
アメリカ西部大陸の滅び行くラテン系移民ナバホの郷愁が、涯しない草原の夜のとばりをさまようかのようなこの曲は、駒の響きを想わせる低音部のくりかえしが印象的で、ふと日本人のセンチメンタリズムをゆすぶるのだったが、陽子は粘って踊るほど柔くなかった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
といふのは、トミがポンプを押し、フィービ孃が空氣の加減を見る爲めに、オルガンの低音部をぢつと押へたからである。
— オウ・ヘンリ 『水車のある教會』 青空文庫
とにかく、私は慰められてゐた…… このとき、私は、下の方に、浚渫船の機関の騒音のやうな、また、幾分、夏の午後の遠雷に以た響を聞いた――私のために涙を流した女らの追憶が、私の魂の最低音部を乱打した。
— 一報告書 『鳥獣剥製所』 青空文庫
そこへは村長や、大僧正つきの唱歌隊から戻つて来てゐる、青いフロックを著て、低音の最低音部を勤める、スウェルブイグーズといふ、補祭の縁つづきの哥薩克や、まだ誰や彼やが招ばれてゐる筈だ。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
なるほど新来の歌手は巧みに低音部を勤めたには勤めたが、もしここに鍛冶屋がゐたものなら、とてもその足もとへも寄れることではなかつた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
高鳴りひびく音が旗を巻き、崩れ散り、怨みこもる低音部の苦しみ悵快とした身もだえになると、その音は寝ている梶の腸にしみわたった。
— 横光利一 『罌粟の中』 青空文庫
あの………低音部に属する男性声な肉声………どすとか言ひました。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫
作例 · 標準
チェロのパートはオーケストラの低音部を構成し、全体の響きに厚みを持たせる。
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この曲は左手で弾く低音部が非常に複雑で、高い演奏技術が要求される。
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スピーカーの調整で低音部を強調しすぎると、全体のバランスが崩れてしまう。
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