墨汁
ぼくじゅう
名詞
標準
India ink
文例 · 用例
墨汁一滴を落したやうな感じだ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
日本新聞に墨汁一滴が出る様になってから猶一層である。
— 伊藤左千夫 『根岸庵訪問の記』 青空文庫
私は墨汁のようにこみあげて来る悔恨といらだたしさの感情で、風景を埋めてゆく影を眺めていた。
— 梶井基次郎 『冬の蠅』 青空文庫
それを見ると堯の心には墨汁のような悔恨やいらだたしさが拡がってゆくのだった。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
対流渦による波状雲のことは今さら述べるまでもないが、これに類似の縞は、近ごろ「墨流し」の実験をしているときに、最初表面に浮かんだ墨汁の層が、時がたつに従って下層の水中に沈む場合にもかなりきれいに発達するのを見ることができた。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
これに類した他方面の現象としては清潔なガラス板の水平な面上に薄く清潔な水の層を作っておいて、そうして墨を含ませた筆の先をちょっとそのガラス面の一点に触れると水の薄層はたちまち四方に押しのけられて、墨汁が一見かわき上がったようなガラスの面を不規則な放射形をなして分岐しながら広がって行く。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
聞くところによると、米粒へ文字を書くには、米粒を手のひらへのせて、毎日暇さえあればしみじみとながめている、するとその米粒がだんだんに大きく見えて来ておしまいには玉子のように、また盆のように大きく見えてくる、その時にまつ毛を一本抜いて、それに墨汁を浸し「すらすらと書けばよい」という話である。
— 寺田寅彦 『記録狂時代』 青空文庫
これは化膿しないためだと言うが、墨汁の膠質粒子は外からはいる黴菌を食い止め、またすでに付着したのを吸い取る効能があるかもしれない。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
作例 · 標準
習字の練習中に墨汁をこぼしてしまい、お気に入りのシャツに大きな黒いシミができた。
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硯で墨を磨る時間が惜しいときは、市販の墨汁を使って手早く済ませる。
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書き初めのために、特大のボトルに入った墨汁を準備した。
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標準
ink (of a cuttlefish, etc.)
作例 · 標準
天敵に襲われたイカは、目くらましのために大量の墨汁を吐き出して逃走した。
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新鮮なイカの墨汁を使って、濃厚な味わいのパスタを作る。
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タコとイカでは墨汁の成分が異なり、タコの方が粘り気が少ない。
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