鴻雁
こうがん
名詞
標準
wild geese
文例 · 用例
鴻雁翔天の翼あれども栩々の捷なく、丈夫千里の才あって里閭に栄|少し、十銭時にあわず銅貨にいやしめらるなぞと、むずかしき愚痴の出所はこんな者とお気が付かれたり。
— 幸田露伴 『突貫紀行』 青空文庫
彼は、群を離れたる鴻雁なれども、猶万里の扶揺を待つて、双翼を碧落に振はむとするの壮心を有す。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
私を導いた八木沼氏が、鴻雁の南下する壮大な光景を私に見せようと思つたのであつた。
— 斎藤茂吉 『雷談義』 青空文庫
譬へば唐人の詩に人情已厭南中苦、鴻雁何自北地來といふが如き、又古人の歌に小倉山、峰の紅葉、心あらば、今一度の幸、待たなむ、などいふが如き、皆有情の人心よりして、無情の草木禽獸に及ぼすなり。
— 西周 『情智關係論』 青空文庫
鴻雁は空を行く時列をつくっておのれを護ることに努めているが、鶯は幽谷を出でて喬木に遷らんとする時、群をもなさず列をもつくらない。
— 永井荷風 『※東綺譚』 青空文庫
然も猶鴻雁は猟者の砲火を逃るることができないではないか。
— 永井荷風 『※東綺譚』 青空文庫
忽チ声ノ中空ヨリ落ルモノアルヲ聞キ、窓ヲ推シテコレヲ視ルニ、天|陰リ月黒ク、鴻雁※喨トシテ乍チ遠ク乍チ近シ。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
猛虎も動物園に入れば糞豚の隣りに居を占め、鴻雁も鳥屋に生擒らるれば雛鶏と俎を同じゅうす。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
作例 · 標準
秋の空を鴻雁の群れが列をなして南へと飛んでいくのが見える。
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万葉集には、遠く離れた家族への便りを鴻雁に託すという抒情的な歌がある。
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湖畔の湿地帯は、冬を越すために飛来した鴻雁たちの憩いの場となっている。
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