薄
うす
接頭辞頻度ランク #7702 · 青空 957 例
標準
light (e.g. colour, color)
文例 · 用例
その云ふ気持は分るけれど、それに、観念が稀薄であるよりは濃厚な方がよいに決つてゐるけれども、要するに、観念があるだけある上で見たり感じたりしてゐることが芸術になりもするのであるから、そこへ観念を持運んで来たつてたゞトンダお景品たるに過ぎない。
— 中原中也 『山羊の言』 青空文庫
ああ舟にのりて行かば、くるほしきなみの亂れもここちよく、ちのみごの夜びえする、あやしきこゑもきかであるべきに、ふるとせひとにかくれて、わがはぐくみしいろぐさのはや涸れぬとぞ、けふきけば薄葉に涙しをるる、よしゑやし、悲しきものはあだがたき、君ならなくに、はやも我が世をのがれいでばや。
— 萩原朔太郎 『浮名』 青空文庫
ああ、するどき薄刃をさげ、左手をもつて敵手に揖す、はや東雲あくる楢の林に、小鳥うたうたひ、きよらにわれの血はながれ、ましろき朝餉をうみなむとす。
— 萩原朔太郎 『決鬪』 青空文庫
正直に云つて、だから辻野君の印象は私の中で、結局稀薄なものであつたのだが、今度訃報が来た時には、ハツと思つた。
— 中原中也 『逝ける辻野君』 青空文庫
私の習慣として、手紙は読んで了へば、大概棄てるし、殊に訃報は直ちに破くのであるが、此度も私は読み終るや破かうとしたが、ハツと思つて思ひとゞまり、薄墨色のインクで印刷された端書をもう一度マジ/\と見直した。
— 中原中也 『逝ける辻野君』 青空文庫
感情基底稀薄にして、かうもああもあつたものではないのである。
— 中原中也 『感情喪失時代』 青空文庫
その「予想」が現今大概の人の場合に稀薄なのであるし、これは多分「人間像」を見失ふ、つまり「おのづと感じられる面白味」といふものの離散であらうし、それは意志だけの如き意志、謂はば周章狼狽の結果でもあらう。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
即ち、人間直観層の稀薄化。
— 中原中也 『近頃芸術の不振を論ず』 青空文庫
作例 · 標準
例句