心裡
しんり
名詞
標準
one's mind
文例 · 用例
パラパラ、頁をめくっていって、ふと、「汝もし己が心裡に安静を得る能わずば、他処に之を求むるは徒労のみ。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
貧窮、病弱、菲才、双肩を圧し来って、ややもすれば我れをして後えに瞠若たらしめんとすといえども、我れあえて心裡の牙兵を叱咤して死戦することを恐れじ。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
日本の青年達が支那の国土で勇敢に戦い、貴重な血を流しているのに、まるで対岸の火事のように平然と傍観している同胞の心裡は自分に解しかねるところであった。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
民衆の心裡というものは元来そんなに頼りないものなのだ。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
ひとの心裡の説明は、その御当人にさえうまく出来ないものらしいし、まして私のような鈍才無学の者には、他人の気持など、わかりっこないのであるが、しかし、巷説の魯迅の転機は、私にはどうしても少し腑に落ちないところがあるので、敢えて苦手の理窟を大骨折りで述べて見た次第である。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
先生の人格は、僕の眼中に於いて、また心裡に於いて、偉大である。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
もし今よりして当時の平民の心裡の実情を描けば、あはれ彼等は蠖蟄の苦を甘んずるにあらざれば、放縦豪蕩にして以て一生を韜晦し去るより外はなかりしなり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
之より一回転して虚実の中に出没し、視るところのものゝ心裡を写出する一節絶筆なり。
— 北村透谷 『「桂川」(吊歌)を評して情死に及ぶ』 青空文庫
作例 · 標準
彼の心裡には、まだ解決されていない葛藤が残っているようだった。
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あの事件の真相は、関係者の心裡に深く秘められている。
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作家は登場人物の複雑な心裡を巧みに描写し、読者を引きつけた。
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