裏門
うらもん
名詞
標準
back gate
文例 · 用例
私が講義のあいまあいまに大学の裏門から公園へぶらぶら歩いて出ていって、その甘酒屋にちょいちょい立ち寄ったわけは、その店に十七歳の、菊という小柄で利発そうな、眼のすずしい女の子がいて、それの様が私の恋の相手によくよく似ていたからであった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
そこで青年たちが来る毎に、僕は裏門をあけてそっと入れ、家人に気兼ねしながら話さねばならなかった。
— 萩原朔太郎 『僕の孤独癖について』 青空文庫
自分はまだ一度も行った事がないが病後の事であるからと思うて座敷で書見をしている父上に行ってもよう御座いましょかと聞くと行くはよいが傘をさして行けとの事であったから、帽をかぶってわるい方の蝙蝠傘を持って裏門へまで行くと、要太郎はもう網をこしらえて待っていた。
— 寺田寅彦 『鴫つき』 青空文庫
間もなく来たから連れ立って裏門を出た。
— 寺田寅彦 『鴫つき』 青空文庫
柿の木の下から背戸へ抜け槇屏の裏門を出ると松林である。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
三時半を過ぎると、看護卒が卑屈な笑い方をして、靴音を忍ばし、裏門の方へ歩いて行った。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
銃を持ち、剣をさげた第七区警察署の巡警は、歩哨のように、アカシヤの並木道の辻に立って、彼の裏門に出入する人間を見張っていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
それはある旅館の裏門で、それまでのまっすぐな道である。
— 梶井基次郎 『闇の絵巻』 青空文庫
作例 · 標準
例句