勝手口
かってぐち
名詞頻度ランク #38577 · 青空 833 例
標準
kitchen door
文例 · 用例
人の家の中庭を突つきつて街路へ出たり、狭い石垣の下を通つて横丁へ出たり、勝手口のやうな裏道を迂廻したり、小さな坂を登つたり降りたりする所が多い。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
二人が玄関から這入って行った、丁度その時、少佐は勝手口から出て来た。
— 黒島伝治 『渦巻ける烏の群』 青空文庫
どこの玄関や勝手口でも疑いと軽侮の眼で睨まれ追われる。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
今年の春、勝手口にあった藤を移植して桜にからませた、その葉が大変に茂っていたので、これに当たる風の力が過大になって、細い樹幹の弾力では持ち切れなくなったものと思われる。
— 寺田寅彦 『断片(2)』 青空文庫
自分が四歳の時に名古屋にいたころのかすかな思い出の中には、どこか勝手口のような所にあった高い板縁へよじ上ろうよじ上ろうとしてあせったことが一つの重大な事項になっているのである。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
はっと思うまもなく、その女は、医師の家の勝手口にはいった。
— 太宰治 『やんぬる哉』 青空文庫
忘れも致しません、あれは秋のなかば、月の非常にいい夜でございましたが、私は十二時すぎに店をしまいまして、それから大いそぎで築地の或る心易くしている料理屋へ風呂をもらいに行きまして、かえりには、屋台でおそばを食べ、家へ来て勝手口をあけようとしても、もう内|桟をおろしてしまったようで、あきませんでした。
— 太宰治 『男女同権』 青空文庫
ほの暗い勝手口に芹川さんの兄さんが、にこにこ笑いながら立っていました。
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
作例 · 標準
買い物から帰ってきた母は、両手いっぱいの荷物を抱えて勝手口から「ただいま」と入ってきた。
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「御用聞きです!」と、威勢のいい魚屋さんの声が勝手口のほうから聞こえてきた。
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ゴミ出しの際、玄関まで回るのが面倒なので、いつも勝手口からサンダルを突っ掛けて外に出る。
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古い日本家屋の勝手口には、土間があって野菜や漬物樽が置かれているのが日常の光景だった。
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標準
host's entrance to a tea-ceremony room
作例 · 標準
茶事のクライマックス、亭主は勝手口から静かに茶室に入り、客の前で最後のお点前を披露した。
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客が入る「にじり口」とは対照的に、亭主用の勝手口は立って出入りできる高さに作られている。
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襖一枚隔てた勝手口の向こう側から、茶碗が触れ合う微かな音が聞こえ、茶会の緊張感が高まる。
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亭主は勝手口の襖を閉める際、最後まで客への敬意を忘れず、音を立てないよう細心の注意を払った。
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