荒事
あらごと
名詞
標準
(theatrical) fighting scene
文例 · 用例
茶碗酒の荒事なんて、あなた、私を殺してからお飲み。
— 太宰治 『酒の追憶』 青空文庫
このチャンポンというのもまた、いまこそ、これは普通のようになっていて、誰もこれを無鉄砲なものとも何とも思っていない様子であるが、私の学生時代には、これはまた大へんな荒事であって、よほどの豪傑でない限り、これを敢行する勇気が無かった。
— 太宰治 『酒の追憶』 青空文庫
「点ならござれ即点に、素襖の柿のへたながら、大刀の切字や手爾遠波を、正して点をかけ烏帽子、悪く謗らば片つはし、棒を背負つた挙句の果、此世の名残執筆の荒事、筆のそつ首引つこ抜き、硯の海へはふり込むと、ほゝ敬つて白す。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
彼は、団十郎が一流編み出したと云う荒事を見て、何と云う粗野な興ざめた芸だろうと思って、彼の腹心の弟子の山下京右衛門が、「太夫様、団十郎の芸をいかが思召さる、江戸自慢の荒事とやらをどう思召さる」と訊いた時、彼は慎ましやかな苦笑を洩しながら「実事の奥義の解せぬ人達のする事じゃ。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
もとより、団十郎の幼稚な児騙しにも似た荒事とは違うて、人間の真実な動作をさながらに、模している七三郎の芸を十分に尊敬もすれば、恐れもした。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
「喧嘩口論、悪人成敗、命ノヤリトリ、白刄クグリ、ヨロズ退屈凌ギトナルベキ荒事ナラバ何ナリトモ御相談ニ応ズベク候間、遠慮ノウ当館ヘ申出デ可然候。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
虫のだんまり、虫の濡場、虫の荒事、虫の所作事、虫の敵討のおもしろさ。
— 刈草の匂ひ 1 『草の親しみ』 青空文庫
芝居にしても、荒唐無稽な荒事から自然主義的な人情劇にかわり、明治大正には新劇という少しの芝居もしない自然そのままの芝居になってしまった。
— 岸田劉生 『ばけものばなし』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日荒事について考えている。
荒事という言葉は日本語で重要だ。
彼は荒事の意味を理解している。
この文には荒事が含まれている。