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浮き身

うきみ
名詞
1
標準
floating on one's back
文例 · 用例
今から思えば、ばかばかしいほどに浮き身をやつしたものであったが、これもやはり降りつづく梅雨にぬれながら木場へ手長蝦を釣りに行ったときに、土地の人から聞かされた話の一つで、江戸末期から明治の初年にかけての世界であると思ってもらいたい。
岡本綺堂 深川の老漁夫 青空文庫
もっともそのおかげで、私は汚ない二階に寝ころんだまま、煙草と、弁当と、書物の三道楽に浮き身をやつし得るありがたい身分になったわけであるが、同時にその道楽の結果として、自分の頭と、胃袋と、肉体とが日に日に頽廃して行く有様を自分でジッと凝視めていなければならなくなったのには少々悲観させられた。
夢野久作 鉄鎚 青空文庫
流れもあえず元の岸へも戻さず、自分を浮き身の宙に漂わして、辛い水を飲ませる。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
自殺 苦惨の海に漂ふて、よるべなぎさの浮き身となる時は、人は自然に自殺を企つるものなり。
北村透谷 復讐・戦争・自殺 青空文庫
だから西洋中世の有名な学者達はいずれも「哲学者の石」の発見に浮き身を窶し、中にはそれを捜し当てたといい、パラセルズスはルビー色をしたものだと告げ、ワン・ヘルモントは硝子のような光沢をしたサフランのようなものだと記述した。
小酒井不木 錬金詐欺 青空文庫
その夜の旗太郎は、平常なら身ごなしに浮き身をやつす彼には珍しく、天鵞絨の短衣のみを着ていて、絶えず伏眼になったまま、その薄気味悪いほどの光のある、白い手を弄んでいた。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
ようやく浮き身がついて、身体がすううっとよっていった。
海野十三 海底都市 青空文庫
日本の大ブルジョアは貿易とか海運とか、手ッとり早くサヤのとれる事業には浮き身をやつすが、大資本を投下して設備をほどこし、技術の精華をあつめた上で長年月の研究を重ねなければならないような大工業には見向きもしないのである。
その一 舞踏会殺人事件 明治開化 安吾捕物 青空文庫
作例 · 標準
例句