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屠場

とじょう
名詞
1
標準
abattoir
文例 · 用例
予在外中しばしば屠場近く住み、多くの牛が一列に歩んで殺されに往くとて交互哀鳴するを窓下に見聞して、転た惨傷に勝えなんだ。
羊に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
ある日屠場に引ずられて來た眞白な種牛は、思ひ切り往生ぎはのわるい奴だつた。
島木健作 黎明 青空文庫
「人を屠りて餓えたる犬を救え」と雲の裡より叫ぶ声が、逆しまに日本海を撼かして満洲の果まで響き渡った時、日人と露人ははっと応えて百里に余る一大|屠場を朔北の野に開いた。
夏目漱石 趣味の遺伝 青空文庫
しかるに大部分の人々はなお深き眠りをむさぼりつつある時、はや郊外からは新鮮なる野菜を載せた重い車をひいて都門に入りきたる者があるかと思えば、他方には肥えたる牛を屠場に引き入れつつある者がある。
河上肇 貧乏物語 青空文庫
この庭は低い黒塗りの板塀を境にして、屠場に続いている。
島崎藤村 千曲川のスケッチ 青空文庫
屠手は多勢|寄って群って、声を励ましたり、叱ったりして、じッとそこに動かない牛を無理やりに屠場の方へ引き入れた。
島崎藤村 千曲川のスケッチ 青空文庫
屠場は板敷で、丁度浴場の広い流し場のように造られてある。
島崎藤村 千曲川のスケッチ 青空文庫
黒い大きな牛の倒れた姿が――前後の脚は一本ずつ屠場の柱にくくりつけられたままで、私達の眼前に横たわっていた。
島崎藤村 千曲川のスケッチ 青空文庫