沽券
こけん
名詞
標準
dignity
文例 · 用例
いやしくもおまえさんが押しも押されもしない書画屋さんである以上、書画屋という商売にふさわしい見識を見せるのが、おまえさんの誉れにもなるし沽券にもなる。
— 有島武郎 『ドモ又の死』 青空文庫
頁が足らんからと云うて、おいそれと甕から這い上る様では猫の沽券にも関わる事だから是丈は御免蒙ることに致した。
— 夏目漱石 『『吾輩は猫である』下篇自序』 青空文庫
その中に吾が頭山満翁は超然として、一依旧様、金銭、名誉なんどは勿論の事、持って生れた忠君愛国の一念以外のものは、数限りもない乾分、崇拝者、又は頭山満の沽券と雖も、往来の古|草鞋ぐらいにしか考えていないらしい。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
独博奕の雁木鑢という奴で行き戻り引っかかるのがこの市場商売の正体で、それでもノホホンで通って行くところが沽券と申しますか、顔と申しますか。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
立て込んだ客の隙間へ腰を割り込んで行くのも、北新地の売れっ妓の沽券に関わるほどではなかった。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
芝居の作用とは、どういう意味か解しかねるが、僕のような若輩から教えられた事をそのまま言うのは、沽券にかかわると思って、とっさのうちに芝居の作用という珍奇な言葉を案出して叫んだのではないかと思われる。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
――私は単に「人間」を考へて憂鬱だつたのだ……といふ意味のことを、今度彼に会つたら諄々と説明しなければ己れの沽券に係はると唇を噛んだ。
— 牧野信一 『老猾抄』 青空文庫
自分の目算通に、信州|追分の今井小藤太の家に、ころがり込むにしたところが、国定村の忠次とも云われた貸元が、乾児の一人も連れずに、顔を出すことは、沽券にかかわることだった。
— 菊池寛 『入れ札』 青空文庫
作例 · 標準
部下を公衆の面前で怒鳴りつけるような真似は、上司の沽券に関わる。
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彼は自らの沽券を守るために、どれほど苦しくても弱音を吐かなかった。
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どんなに生活が苦しくても、武士としての沽券を捨て去ることはなかった。
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標準
deed of sale (for a land, forest or house)
作例 · 標準
蔵の掃除をしていたら、江戸時代に書かれた古い沽券が見つかった。
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この土地の正当な所有権を証明するために、沽券を役所に提出した。
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祖父から、先祖代々受け継いできた山林の沽券を預かった。
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標準
sale value
作例 · 標準
周辺の再開発が進んだおかげで、このビルの沽券も大幅に上がった。
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古い家だが、有名な建築家が設計したとあって沽券は衰えていない。
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不況の煽りを受けて、一等地の不動産の沽券も下落し続けている。
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