幻辞.com

通俗文学

つうぞくぶんがく
名詞
1
標準
school of popular writing
文例 · 用例
客観小説を提唱する人々が今日作品の実際では申合せたように歴史小説の分野に紛れ込んだり、通俗的な大衆文学、通俗文学に入って行っていることも、複雑な観察を求める現象である。
宮本百合子 今日の文学の鳥瞰図 青空文庫
これらの人々の考えかたの特徴は、作家の大衆に対する文化的指導性を自身の社会性についての省察ぬきに自認している点、及び、所謂|俚耳に入り易き表現ということを、便宜的に大衆的という云い方でとりあげていて、従来の通俗文学との間に、画すべき一線のありやなしやを漠とさせている点等にある。
宮本百合子 文学の大衆化論について 青空文庫
かつてプロレタリア文学が、芸術の内容と表現における社会性との問題にふれて、従来の純文学と通俗文学とは質において異った階級の社会性に立つ文学として、文学の大衆性をとりあげた。
宮本百合子 今日の文学に求められているヒューマニズム 青空文庫
通俗文学はなるほど数の上では多勢によまれているであろうが、描かれている生活の現実は勤労生活をしている者の日常の悲喜を活々とうつしているのではない。
宮本百合子 今日の文学に求められているヒューマニズム 青空文庫
通俗文学の作者も自信をもって、通俗小説の彼らの所謂大衆的本質を固持していたのであった。
宮本百合子 今日の文学に求められているヒューマニズム 青空文庫
いつしか通俗文学に入ったかもしれないとも思える。
宮本百合子 婦人と文学 青空文庫
純文学の作家にして、心あるものなら、これを復興させようと努力することは、何の不思議もないのであるが、それを自身の足場の薄弱さを立て直そうともせずに、大衆文学通俗文学の撲滅を叫んだとて、何事にもなり得ない。
横光利一 純粋小説論 青空文庫
バルザックの作品のあるものが今日では大衆文学にすぎなくなつてゐることのやうに、一時代の芸術が次の時代の通俗文学にすぎない例は数多い。
――「文芸」の作品批評に関聯して―― 悲願に就て 青空文庫