肚裏
とり
名詞頻度ランク #2411 · 青空 3 例
標準
in the heart
文例 · 用例
此話に拠ると、会津に蒲生氏郷を置こうというのは最初から秀吉の肚裏に定まって居たことで、入札はただ諸将の眼力を秀吉が試みたということになるので、そこが些訝かしい。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
逍遙子の後沒理想論をなすや、肚裏に沒却哲理詩の義を藏して、筆頭には舊に依りて沒理想の字を寫し出せり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
逍遙子の個人たるや、その肚裏に絶對に對する沒理想(實は哲學上若くは形而上論上無所見)とシエクスピイヤが戲曲に對する沒理想(實は作者の哲學上所見の沒却)とを蓄へたり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
便なき幼兒のうたへる歌萩原朔太郎うすらさびしき我が身こそ利根の河原の石ひろひひとり岸邊をさまよひて今日も小石をひろふほど七つ八つとなりにけり
— 萩原朔太郎 『便なき幼兒のうたへる歌』 青空文庫
秋日行語〔菊もうららに〕萩原朔太郎菊もうららに咲きいでたれど我身は砂丘に寄りて悲しめりさびしや海邊のおくつきに路傍の草を手向くることこのわびしきたはむれにひとり樹木にすがりつきたましひも消えよとむせびなく。
— 〔菊もうららに〕 『秋日行語』 青空文庫
雨の降る日(兄のうたへる)萩原朔太郎雨の降る日の縁端にわが弟はめんこ打つめんこの繪具うす青くいつもにじめる指のさき兄も哀しくなりにけり雨の降る日のつれづれに客間の隅でひそひそとわが妹のひとり言なにが悲しく羽根ぶとん力いつぱい抱きしめる兄も泣きたくなりにけり
— 萩原朔太郎 『雨の降る日』 青空文庫
かくばかり我に信なきともがらに、なにのかかはりあるべしやは、空しく坐して祈り、遠き遍路に消え殘る雪を光らしむ、いのちはひとりのもの、ただ我が信願をかくるにより、木ぬれにかかり、有明の月もしらみてふるへ悲しめり。
— 萩原朔太郎 『黎明と樹木』 青空文庫
まひる利根川のほとりを歩めば、二人歩めばしばなくつぐみ、つぐみの鳴くに感じたるわが友のしんじつは尚深けれども、いまもわが身の身うちよりもえいづる、永日の嘆きはいやさらにときがたし、まことに故郷の春はさびしく、ここらへて山際の雪消ゆるを見ず。
— 萩原朔太郎 『利根川の岸邊より』 青空文庫
作例 · 標準
彼は怒りを肚裏に収め、表面上は穏やかな笑顔を崩さなかった。
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誰にも言えない秘密を肚裏に秘めたまま、彼女は都会へと旅立った。
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相手が何を考えているのか、その肚裏を探るのは容易ではない。
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