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棄背

きはい
名詞
1
標準
giving up and turning back
文例 · 用例
まひる利根川のほとりを歩めば、二人歩めばしばなくつぐみ、つぐみの鳴くに感じたるわが友のしんじつは尚深けれども、いまもわが身の身うちよりもえいづる、永日の嘆きはいやさらにときがたし、まことに故郷の春はさびしく、ここらへて山際の雪消ゆるを見ず。
萩原朔太郎 利根川の岸邊より 青空文庫
「あんた、何でもあたしの方から仕向けなければ……狡いのか、意気地なしなのか、どっちなのよ」 小初の言葉のしんにはきりきり真面目さが透っていながら手つきはいくらかふざけたように、薫の背筋の溝に砂をさあっと入れる。
岡本かの子 渾沌未分 青空文庫
「わたしはよくよく子供に運がない」 おまきはいつも愚痴をこぼしていたが、それでも末っ子の七之助だけは無事に家に残っていた。
猫騒動 半七捕物帳 青空文庫
さあ大変と思ってタネリが急いで眼をはなしましたがもうそのときはいけませんでした。
宮沢賢治 サガレンと八月 青空文庫
ああはたして仁なりや、しかも一人の渠が残忍|苛酷にして、恕すべき老車夫を懲罰し、憐むべき母と子を厳責したりし尽瘁を、讃歎するもの無きはいかん。
泉鏡花 夜行巡査 青空文庫
入用なときはいつでも「預かり証」と引き換えに持って帰ることができるのである。
寺田寅彦 銀座アルプス 青空文庫
自分は汽車旅行をするときはいつでも二十万分一と五万分一との沿線地図を用意して行く。
寺田寅彦 地図をながめて 青空文庫
哀れいずくの誰ぞや、指してゆくさきはいずくぞ、行衛定めぬ旅なるかも。
国木田独歩 たき火 青空文庫
作例 · 標準
雪山での遭難の危険を感じ、頂上を目前にしながらも棄背する苦渋の決断を下した。
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敵軍の圧倒的な戦力を前に、将軍はこれ以上の損害を避けるため即座に棄背を命じた。
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道が完全に崩落していることに気づき、我々は断腸の思いでその場から棄背した。
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