巣食う
すくう
動詞-五段-ウ行動詞-自動詞
標準
to build a nest
文例 · 用例
葉子は事務長の広い胸に巣食うように丸まって少し震えていた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
こんなでもなかなか心は働いていらっしゃるんですからねえ」 と婆やは、葉子の膝の上に巣食うように抱かれて、黙ったまま、澄んだひとみで母の顔を下からのぞくようにしている定子と葉子とを見くらべながら、述懐めいた事をいった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
しかし作られるその仮面こそは、尋常一様の仮面ではなく、世にも奇怪な物であり、そうして面作師月子という女も、富士の裾野に巣食うところの魑魅魍魎の一人なのであったが、それは順を追って説くとして、さてある日の事である。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
葡萄蔓かとも見ゆる髪の中には、いたいけな四十雀が何羽とも知れず巣食うて居つた。
— 芥川龍之介 『きりしとほろ上人伝』 青空文庫
その滴ほどな徳利の酒さへ、「れぷろぼす」は大きに悦んだけしきで、頭の中に巣食うた四十雀にも、杣たちの食み残いた飯をばらまいてとらせながら、大あぐらをかいて申したは、「それがしも人間と生れたれば、あつぱれ功名手がらをも致いて、末は大名ともならうずる。
— 芥川龍之介 『きりしとほろ上人伝』 青空文庫
」とて、小山のやうな身を起いたが、ここに不思議がおぢやつたと申すは、頭の中に巣食うた四十雀が、一時にけたたましい羽音を残いて、空に網を張つた森の梢へ、雛も余さず飛び立つてしまうた事ぢや。
— 芥川龍之介 『きりしとほろ上人伝』 青空文庫
「そういう顔をしているから貧乏神が巣食うのだ。
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
「それじゃ聞いていただきましょう――何時からか私は存じませんけれど、私の心に一つの確信が巣食うようになったのでございますよ。
— 国枝史郎 『死の航海』 青空文庫
作例 · 標準
空き家の屋根裏に、コウモリが巣食っているようだ。
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古い大木の中には、数え切れないほどの虫たちが巣食っている。
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長い間放置されていた納屋には、ネズミが巣食っていた。
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標準
to hang out (of a bad group)
作例 · 標準
街の裏通りには、素行の悪い若者たちが巣食っている。
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廃墟となったビルは、犯罪者たちの巣食う場所になってしまった。
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古い体制の中には、利権を貪る人々が今もなお巣食っている。
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標準
to lodge (in one's mind; of an evil thought, delusion, etc.)
作例 · 標準
心の奥底に巣食う疑念を、どうしても拭い去ることができない。
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幼い頃のトラウマが、大人になっても彼の心に巣食っている。
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病的な嫉妬心が、彼女の健全な精神を巣食い始めていた。
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