霧散
むさん
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
dispersing
文例 · 用例
とにかくこうなるとせっかくの最初の空想も雲消霧散して残るものは世智辛い苦々しい現実である。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(1)』 青空文庫
もしも人間の「目」が少しも錯覚のないものであったら、ヒトラーもレーニンもただの人間であり、A一A事件もB一B事件も起こらず、三原山もにぎわわず、婦人雑誌は特種を失い、学問の自由などという言葉も雲消霧散するのではないかという気がする。
— 寺田寅彦 『錯覚数題』 青空文庫
どうした火の躓きか、けたたましい一つの爆音と共に、一団の煙が空を目がけて飛び上り、そして忽ちに霧散した。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
その拍子に一挺の金|簪のような鋭い火線が、爆竹色に霧散して月の面を掠める煙の中に鋭くひらめいた。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
私は世界を形成して、あるいは霧散させる永遠の行動のリズムを見分けてきた。
— THE STONE BUDDHA 『石仏』 青空文庫
清々しいものが体の中を吹き渡る……つかれはすぐに霧散する。
— 上村松園 『棲霞軒雑記』 青空文庫
――だが今や玄竜は田中に会えたことを思うともう凡ての悲しみも苦しみも霧散し、ひとりでに嬉しくなっていよいよ多弁になっていた。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
すると恰も憤霧器からのやうに、提灯の火の薄明りの中に、ぴゆつと勢よく虹を描いて霧散した。
— 加能作次郎 『乳の匂ひ』 青空文庫
作例 · 標準
昇った太陽の光を浴びて、朝霧が跡形もなく霧散していった。
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期待していた追加融資の話は、銀行の判断により一瞬で霧散した。
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騒ぎを聞きつけた警察官が到着すると、野次馬たちはクモの子を散らすように霧散した。
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