魚族
ぎょぞく
名詞
標準
fish
文例 · 用例
魚族は多くは其の孵化地に囘り來るものである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
地磁氣が然らしむるか、記性が然らしむるか、他の何が然らしむるかは不明であるが、魚族の如き單純なる智能を有せるものが、故地に囘り來るは奇蹟とも云ふ可きである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
なにかわかね、魚族は目をさまし、鈴虫は一心に鳴きしきる。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫
地上に湧き上る新鮮な野菜や溌溂と鱗を飜す海の魚族は私の真実の伴侶であつた。
— 北原白秋 『雲母集』 青空文庫
劫初以来人の足跡つかぬ白雲落日の山、千古斧入らぬ蓊鬱の大森林、広漠としてロシアの田園を偲ばしむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な未開の天地は、いかに雄心勃々たる天下の自由児を動かしたであろう。
— 石川啄木 『初めて見たる小樽』 青空文庫
けれど汝は卑しくも魚族の王の、此の父が世をさつたらばその後を嗣ぐべき尊嚴い身分じや。
— 山村暮鳥 『ちるちる・みちる』 青空文庫
魚族は爭ひてつゝきはじめむ。
— 長塚節 『長塚節歌集 中』 青空文庫
ある高貴な魚族は、美しい縞のある鮮緑の藻の蔭で、竪琴をかき鳴らしながら、宇宙の音楽的調和を讃えておった。
— 中島敦 『悟浄出世』 青空文庫