遅々
ちち
形容詞-たる副詞-と
標準
slow
文例 · 用例
生憎時計を見ると、かれこれ午後二時に近い、空気も稀薄になり始めて、絶頂まで、遅々たる足取りでは、今夜中にホテルまで、戻り得られるか否かも、覚束ないので、ここから下山することにした。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
遅々たる行列の進みが百貨店の外の入口まで届くと黒服の店員に管理されて人数の一くぎりずつが内側の入口の床石に誘われる。
— 岡本かの子 『街頭』 青空文庫
中隊は、丘の上を蟻のように遅々としてやって来ていた。
— 黒島伝治 『渦巻ける烏の群』 青空文庫
最初は吾々も我慢して乗っていたが、いよいよ歩みの遅々たるに業を煮やし、ソレッとばかり飛び下りて、四人がワッショイワッショイ馬車の後押し、前後左右へガッタンガッタンするのを、一向お構いなく一生懸命になって馬車の後押しをした。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
こんな場合にいつも先陣を争う髯将軍はいかにせしぞと後に聴けば、将軍、剛力の遅々が癪に触って堪らず、暫時叱※督励していた為に、思わず大いに遅れたという事だ。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
富山の友人から貰ったトムと云う大きな西洋犬が、主人|父子の後を遅々と躡いて行った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
で、一旦内へ引返して、応急の薬剤と繃帯とを用意して、足早に表へ出ようとする時、七兵衛|父爺が寝惚眼を擦りながら裏口を遅々出て来た。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
菰を厚く巻いてやるプールの中へ、差し込む薄日に短い鰭と尾を忙しく動かすと薄墨の肌からあたたかい金爛の光が眼を射て、不恰好なほどにも丸く肥えて愛くるしい魚の胴が遅々として進む。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
作例 · 標準
彼の仕事は遅々として進まなかった。
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会議は遅々として議論が進まず、時間ばかりが過ぎていった。
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