暁天
ぎょうてん
名詞
標準
dawn
文例 · 用例
暁天の白露を帯びたこの花の本当の生きた姿が実に言葉通り紙面に躍動していたのである。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
その夜源三は眠りかねたが、それでも少年の罪の無さには暁天方になってトロリとした。
— 幸田露伴 『雁坂越』 青空文庫
暁天日向高千穂峯の御来迎日向の高千穂の峯山の肩黝きに風すでに矢羽根切りて響きわたり、空へ翔けぬ。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
十五 波濤、波濤、波濤、 渺たる海豹島の遠景、 暁天、 たちまち、 幕面を斜めに切って映ったロップ、 大汽船の鉄欄、 半側だけ見える巨大な通風筒、 と、ゆらりと、葉巻を啣えて出て来た支那服の北原白秋、 その顔が大きく微笑すると、微笑しつつ、いよいよ大きく、更にいよいよ大きく幕面いっぱいになる。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
この夜、翁の請に応じて即吟、白扇に題したる我句は、越えて来て又|一峰や月のあと 暁天の白むまで眠り得ず、翌朝日|闌けて起き出でたるは、いつの間にか明方の熟睡に入りたりしと覚ゆ。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
暁天の白露を帯びたこの花のほんとうの生きた姿が実に言葉どおり紙面に躍動していたのである。
— 寺田寅彦 『からすうりの花と蛾』 青空文庫
種子のように、弓弦のように、暁天のように、少年のように、進潮の勢いのように、進軍の鼓声のように、およそ内より外に向って発展しようとする象は皆張る気の相であり、人に就いてこれを言えば、我が打向かうところに我が心がイッパイになる気合である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
試みに秋の夜長の寂寞を人間と関係の殆んど絶えた川中の一舟の中で闇を守り明かして、何をどうしたいという意識も無いまま暁天に日が出る時まで居てみるがよい。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫