扞格
かんかく
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
mutual incompatibility
文例 · 用例
けれども此苦悶は意の如くならざる事相に即し、思ひの儘に行かぬ現象の推移に即し、もしくは斯くあれかし、斯くありたしとの希望を容れぬ自然の器械的なる進行に即して起る矛盾|扞格の意に外ならぬ。
— 夏目漱石 『文芸とヒロイツク』 青空文庫
新浪漫主義を唱える人と主観の苦悶を説く自然主義者との心境にどれだけの扞格があるだろうか。
— 石川啄木 『時代閉塞の現状』 青空文庫
英米ノ自由主義ガ各其ノ民族思想ノ結ベル果實ナル如ク、濁人タル「マルクス」ノ社會主義露人タル「クロポトキン」ノ共産主義ガ幾多ノ相異扞格セル理論ヲ以テ存立スルコトハ各其ノ民族思想ノ開ケル花ナリ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
元来思想上相容れなかったので思想上の扞格が感情上の乖離となって、一時は交際が殆んど途絶えていた。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
最初、一、二年は、良沢と玄白との間に、なんら意見の扞格もなかった。
— 菊池寛 『蘭学事始』 青空文庫
世の中にあつた種々な大事件、恐ろしい戦争の殺戮、無辜のものの流るゝ血、乃至は新しい恐ろしい思潮、共同生活を破壊する個人思想、意志と魂との扞格、さういふものがこの世界にあらうなどとは夢にも知らずに、朝は早く起き、夜は遅く寝て、唯その家業にのみいそしんでゐるのであつた。
— 田山花袋 『ある僧の奇蹟』 青空文庫
扞格した力の上に起つて来る悲劇は、これは何うも致し方がない。
— 田山花袋 『ある僧の奇蹟』 青空文庫
ここに於てか人と時勢と相副わず、その間に扞格を来すのである。
— 伊波普猷 『琉球史の趨勢』 青空文庫
作例 · 標準
「現場の切実な要望と、上層部が掲げる理想論が完全に扞格していて、議論が平行線のままだ」
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「君のさっきの説明と、このデータが示している事実が扞格している以上、そのまま信じるわけにはいかないよ」
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「既存の法律と今回提案された新条例の内容が扞格する可能性はないか、法務部に確認してくれ」
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