質草
しちぐさ異読 しちだね
名詞多音語
標準
article for pawning
文例 · 用例
それも今日母上や妹の露命をつなぐ為めとか何とか別に立派な費い途でも有るのなら、借金してだって、衣類を質草に為たって五円や三円位なら私の力にても出来して上げるけれど、兵隊に貢ぐのやら訳もわからない金だもの。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
どうかしたはずみを喰ふと、おんつぁんも勃凸も他愛がなくなつて、店に出入りする若者達と一緒にどこかに出かけて、売溜めを綺麗にはたいて、商売道具を手あたり次第に質草にするのが鳧だつた。
— 有島武郎 『骨』 青空文庫
・遠山の雪のひかるや旅立つとする・影も春めいた草鞋をはきかへる・春がきてゐる土を掘る墓穴 これだけの質草はあつてうどんと酒・みちはいつしか咲いてゐるものがちらほら 三月九日春光うらゝかなり、陽はあたゝかく風はさむい。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
その上に土蔵の中から取出された見事な花|茣蓙が敷詰められて、やはり土蔵の奥から持出された古い質草らしい、暑苦しい土佐絵の金屏風が建てまわされた。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
貧乏人の多い町で、よくよく金に困って、質草もなくただ利子に追われている質札ばかり増えるのを持て余している者がちょっとやそっとの数ではあるまい。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
きょう、質屋の番頭をこっそり家へ連れて来て、僕の部屋へとおして、何かこの部屋に目ぼしい質草ありや、あるなら持って行け、火急に金が要る、と申せしに、番頭ろくに部屋の中を見もせず、およしなさい、あなたのお道具でもないのに、とぬかした。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
よろしい、それならば、僕がいままで、僕のお小遣い銭で買った品物だけ持って行け、と威勢よく言って、かき集めたガラクタ、質草の資格あるしろもの一つも無し。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
おかん 外道でも般若でも、質草はもう何にもないよ。
— 岡本綺堂 『權三と助十』 青空文庫
作例 · 標準
どうしても今月の家賃が払えず、祖父から譲り受けた金の懐中時計を質草にした。
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「これは大事な質草だから、絶対に傷をつけないでくれ」と店主に念を押した。
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質草を預けて借りた金で、彼はなんとか倒産の危機を脱することができた。
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