苛立たしい
いらだたしい
形容詞
標準
irritating
文例 · 用例
しかしそれはいずれにしても、今の苛立たしい世の中を今少し落着けて、人の心を今少し純な集中に導くためには、このような音楽も存外有効ではないだろうか。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
小郷はこの苛立たしいせせらぎの音から逃げ出したくなって、君勇を伴って、桔梗家を出た。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
土曜日だからね」 土曜の夜は女のみだれる晩だという、藪から棒の京吉の意見の底には、古綿を千切って捨てるような、苛立たしいわびしさがあった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
その罪の無い鼻の表現に対する自分の暗い鼻の表現が、無意識のうちに気がかりになって、苛立たしい不愉快な気持ちになって行く。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
現実のマダムの乳房への好奇心は途端に消えて、放蕩無頼の風俗作家のうらぶれた心に降る苛立たしい雨を防いでくれるのは、もはや想像の十銭芸者の破れた蛇目傘であった。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
鏡の中に映っております私の顔が、世にも不思議な気味のわるいものに思えたり、そうかと思いますとこの上もなくなつかしいものに見えたりしますので、その都度に鏡というものが、世にも取り止めのない、馬鹿らしいような、恐ろしいような、又はたまらなく苛立たしい品物のように思われてならないので御座いました。
— 夢野久作 『押絵の奇蹟』 青空文庫
おまえが椅子のうえで頬を火照らしているとき、海の近いこの土地の、わるい湿気や、南風や、苛立たしい光線などが皮膚のすみずみに甦り、何もかも堪え忍ばねばならぬ人間のかなしさがむねをふさぎ。
— 原民喜 『忘れがたみ』 青空文庫
みじめなしよぼしよぼしたものは、同情を起さしめるよりも、却つて苛立たしい氣持を起させる。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
作例 · 標準
電車が遅延し、通勤ラッシュの混雑に加えて、アナウンスも途切れ途切れで苛立たしい一日だった。
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どんなに努力しても結果が出ない現状は、私にとって本当に苛立たしい。
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隣の席からの絶え間ない貧乏ゆすりが、集中を妨げ苛立たしい。
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