相待
そうだい
名詞
標準
existing in opposition or interdependence
文例 · 用例
これは別に映画では珍しくもない技巧であるが、しかしこの場合にはこの技巧が同時に聞かせる音楽と相待ってかなりな必然性をもって使用されており、これによってこうした発声映画にのみ固有な特殊の効果を出している。
— 寺田寅彦 『映画雑感6』 青空文庫
両々相待ちて(彼の件)という物体となる。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
定重 いや、けふは少しく心もせけば、こゝにて暫時相待ち申さう。
— 岡本綺堂 『佐々木高綱』 青空文庫
それが今日では、一泊はおろか、日帰りでも悠々と箱根や熱海に遊んで来ることが出来るようになったのであるから、鉄道省その他の宣伝と相待って、そこらへ浴客が続々吸収せらるるのも無理はない。
— 岡本綺堂 『温泉雑記』 青空文庫
一方、詩興はまたこの韻律の快感によつて刺激され、リズムと情想とは、此所に互に相待ち相助けて、いよいよ益益詩的感興の高潮せる絶頂に我等を運んで行くのである。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
それ故に詩の表現形式は、単に音律ばかりでなく、音律以外の言語的要素(語感、語情)と相待って、始めて完全することを知るであろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
此の理によつて考察する時は、夢みるといふ精神勞作は、假令輕微の勞作にせよ、また血液と相待つて起さるゝものに相違無い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
さりながら一旦切腹と思定め候|某、竊に時節を相待ちおり候ところ、御隠居松向寺殿は申に及ばず、その頃の御当主妙解院殿よりも出格の御引立を蒙り、寛永九年御|国替の砌には、松向寺殿の御居城|八代に相詰め候事と相成り、あまつさえ殿御上京の御供にさえ召具せられ、繁務に逐われ、空しく月日を相送り候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書(初稿)』 青空文庫