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不時

ふじ
名詞名詞-の形容詞頻度ランク #15745 · 青空 198
1
標準
emergency
文例 · 用例
明治十九年に両親と祖母に伴われて東海道を下ったときに、途中で祖母が不時の腹痛を起こしたために予定を変えて吉浜で一泊した。
寺田寅彦 箱根熱海バス紀行 青空文庫
この意外なる不時の現象で、皆が呆氣にとられて驚いてしまつた。
萩原朔太郎 中央亭騷動事件(實録) 青空文庫
」 副官が這入って来ると、彼は、刀もはずさず、椅子に腰を落して、荒い鼻息をしながら、「速刻不時点呼。
黒島伝治 渦巻ける烏の群 青空文庫
その規約によると、誠心誠意主人のために働いた者には、解雇又は退隠の際、或は不時の不幸、特に必要な場合に限り元利金を返還するが、若し不正、不穏の行為其他により解雇する時には、返還せずというような箇条があった。
黒島傳治 砂糖泥棒 青空文庫
これはたしかに単調で重苦しい学校の空気をかき乱して、どこかのすきまから新鮮な風が不時に吹き込んで来たようなものであった。
寺田寅彦 蓄音機 青空文庫
不時の大騷動に、愕き目醒めたる春枝夫人は、かゝる焦眉の急にも其省愼を忘れず、寢衣を常服に着更へて居つた爲めに、今漸く此處まで來たのである。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
大佐は私の問に對して、悠々と鼻髯を捻りつゝ『若し不時の天變が無ければ、今より二年九ヶ|月目、即ち之から三度目の記元節を迎ふる頃には、試運轉式を擧行し、引續いて本島を出發して、懷かしき芙蓉の峯を望む事が出來ませう。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
不時の回診に驚いて、ある日、その助手たち、その白衣の看護婦たちの、ばらばらと急いで、しかも、静粛に駆寄るのを、徐ろに、左右に辞して、医学博士秦宗吉氏が、「いえ、個人で見舞うのです……皆さん、どうぞ。
泉鏡花 売色鴨南蛮 青空文庫