蚊
か異読 カ
名詞頻度ランク #11966 · 青空 1756 例
標準
mosquito
文例 · 用例
蚊ふすべをするため、ジヨチウ菊を燃したばかりだといふので、部屋の中には煙が残つてゐた。
— 中原中也 『古本屋』 青空文庫
僕の部屋の窓を夜どおし明けはなして盗賊の来襲を待ち、ひとつ彼に殺させてやろうと思っているのであるが、窓からこっそり忍びこむ者は、蛾と羽蟻とかぶとむし、それから百万の蚊軍。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
蚊帳の中で生れました。
— 太宰治 『六月十九日』 青空文庫
戸袋のすぐ横に、便所の窓の磨硝子から朧な光のさすのに眼をうつすと、痩せたやもりが一疋、雨に迷う蚊を吸うとてか、窓の片側に黒いくの字を画いていた。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
高く釣った蚊屋の中にしょんぼり坐っているのは年とった主婦で、乱れた髪に鉢巻をして重い病苦に悩むらしい。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
蚊屋の裾には黒猫が顔を洗っている。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
借りた室の寝台にはこの真冬に白い紗の蚊帳がかかっていた。
— 寺田寅彦 『二つの正月』 青空文庫
しばらくの別れを握手に告ぐる妻が鬢の後れ毛に風ゆらぎて蚊帳の裾ゆら/\と秋も早や立つめり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫