漁船
ぎょせん
名詞頻度ランク #14803 · 青空 336 例
標準
fishing boat
文例 · 用例
翌日は東寺に先祖の一海和尚の墓に参って、室戸岬の荒涼で雄大な風景を眺めたり、昔この港の人柱になって切腹した義人の碑を読んだりしたが、残念ながら鯨は滞在中遂に一匹もとれなくて、ただ珍しい恰好をして五色に彩色された鯨漁船を手帳にスケッチしたりしただけであった。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
熱海滞在中漁船に乗って魚見崎の辺で魚を釣っていたら大きな海鰻がかかったこと、これを船上で煮て食わされたが気味が悪くて食われなかったようなことなどを夢のように覚えている。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
漁船などこれに巻込まれたら容易に出られなくなるそうです。
— 寺田寅彦 『瀬戸内海の潮と潮流』 青空文庫
彼女も現代を形づくる発育不完全、性を失った女、太平洋を航海しているアラビア漁船の窓|硝子に似た黒い乳房、戦争と東洋文明が女性をマゾヒストにしてしまう。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
家庭の女には東洋の深い皺が彫刻されたように滲みこんでいます)私達は最初土人街のネパール女のエキゾティズムに感歎するのですが、その感歎はまるで波斯をセイロンの旗立てた漁船みたいな潜航艇で潜航しているようなものなのです。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
沖へ出てゆく漁船がその影の領分のなかから、日向のなかへ出て行くのをじっと待っているのも楽しみなものだ。
— 梶井基次郎 『海 断片』 青空文庫
引きあげられた漁船や、地引網を捲く轆轤などが白い砂に鮮かな影をおとしているほか、浜には何の人影もありませんでした。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫
私は煙草をつけながら漁船のともに腰を下して海を眺めていました。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫