自適
じてき
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
living free from worldly care
文例 · 用例
先生は、昨年の春、同じ学部の若い教授と意見の衝突があって、忍ぶべからざる侮辱を受けたとかの理由を以て大学の講壇から去り、いまは牛込の御自宅で、それこそ晴耕雨読とでもいうべき悠々自適の生活をなさっているのだ。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
檻の中なる狼は、野に遊ぶ虎をひしぐとか、悠々自適、時を待つてゐます。
— 太宰治 『春夫と旅行できなかつた話』 青空文庫
個性だけでは知らず知らずの間に落ち込みやすい苟安自適の泥沼から引きずり出して、再び目をこすって新しい目で世界を見直し、そうして新しい甦生の道へ駒の頭を向け直させるような指導者としての役目をつとめるのがまさにこの定座であるように思われるのである。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
適意――自適――この言葉にふくむニユアンスが、すなはち、私のニユアンスだ、――かういふ生活もないことはない。
— 伊佐行乞 『行乞記』 青空文庫
清閑、自適、任運、孤高――さういふところへ私の心はうごいてきて、そしてその幾分かをあたへられてゐるのであるが、私はさらにうごいてゆかなければならない、うごきつゝある、うごかずにはゐられないのである。
— 伊佐行乞 『行乞記』 青空文庫
されど、之等は要するに皆かれの末技にして、真に欽慕すべきは、かれの天稟の楽才と、刻苦精進して夙く鬱然一家をなし、世の名利をよそにその志す道に悠々自適せし生涯とに他ならぬ。
— 太宰治 『盲人独笑』 青空文庫
なぜなら彼らは、老後において妻子|眷族にかしずかれ、五枚|蒲団の上に坐って何の心身の苦労もなく、悠々自適の楽隠居をすることができるからだ。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
即ち所謂「悠々自適」の境に達し、安心立命して暮すことができるのだ。
— 萩原朔太郎 『病床生活からの一発見』 青空文庫
作例 · 標準
彼は早期退職後、田舎で悠々自適の生活を送っている。
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自然の中で自適する暮らしは、多くの人にとって憧れだ。
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彼は多忙な日々から解放され、ようやく自適な時間を満喫している。
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