船影
せんえい異読 ふなかげ
名詞
標準
sign of a ship (e.g. through fog, silhouette, etc.)
文例 · 用例
予が窓下に、昔讀んだ事があるといふ記憶を唯一のたよりに、かの紀行の内からやうやうこの頁を搜しあてた頃には、既に海は暗く、向きの船影は既に見る可からざるに至つた。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫
と、たちまち、船影は消えて、一面の氷結した極寒の海峡が真白く、白く、暗い影の底から遥かに遥かに光る。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
小唄にも、浮かれ浮かれて大川を、下る猪牙船影淡く、水にうつろうえり足は、紅の色香もなんじゃやら、エエまあ憎らしいあだ姿、という穏やかでないのがあるとおり、江戸も四月の声をきくとまず水からふぜいが咲いて、深川あたり大川の里、女もそろそろ色づくが、四月はまた仏にも縁が深い。
— 開運女人地蔵 『右門捕物帖』 青空文庫
海難救助協会の救難船が、現場に馳せつけた頃には、もう北海丸の船影はなく、炭塵や油の夥しく漂った海面には、最初にかけつけた釧路丸が、激浪に揉まれながら為す術もなく彷徨っているばかりだった。
— 大阪圭吉 『動かぬ鯨群』 青空文庫
最初右舷の遥か前方に、黒い小さな船影がポツンと現れたかと思うと、見る見る大きく、捕鯨船となって、その鯨群を発見けてか、素晴らしい速力で潮の林へ船首を向けて行った。
— 大阪圭吉 『動かぬ鯨群』 青空文庫
訓練ある沈黙と速度のうちに一同がそれに乗り移ると、そのままボウテは漕ぎ出して、碇泊中の船影のあいだを縫って間もなく沖へ消える。
— しっぷ・あほうい! 『踊る地平線』 青空文庫
訓練ある静寂と速度のうちに、一同がそれに乗り移ると、そのままぼうては漕ぎ出して、碇泊中の船影のあいだを縫って間もなく海へ消えた。
— しっぷ・あほうい! 『踊る地平線』 青空文庫
ついに、私は、はるか水平線上にコンマを逆さまにしたような船影を見つけました。
— 一八九三年七月二二日付 チェンバレン 宛 『手紙』 青空文庫
作例 · 標準
霧の中から、かすかに船影が見えてきた。近づいてくるようだ。
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夕闇が迫り、沖合に浮かぶ船影がぼんやりと揺らいでいた。
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灯台の光が、海面に揺れる船影を照らし出していた。
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