銀砂
ぎんしゃ異読 ぎんさ
名詞
標準
silver powder
文例 · 用例
そうして河向いの高い塀の曲り角のところの内側に塔のような絞首台の建物の屋根が少し見えて、その上には巨杉に蔽われた城山の真暗なシルエットが銀砂を散らした星空に高く聳えていたのである。
— 寺田寅彦 『追憶の冬夜』 青空文庫
だが咲くだけ咲いてしまえば実に思い切りよく大ふうにさらさらと風にまかせて銀砂の様に私達の歩道に、その純白の粉花を一ぱいに敷きつめてくれる。
— 岡本かの子 『五月の朝の花』 青空文庫
紫紺色に寒々とさえた空には星がいっぱいに銀砂子のように散らばっている。
— 寺田寅彦 『詩と官能』 青空文庫
続き、上下におよそ三四十枚、極彩色の絵看板、雲には銀砂子、襖に黄金箔、引手に朱の総を提げるまで手を籠めた……芝居がかりの五十三次。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
近くの「銀砂」という小っぽけな珈琲店にはいった。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
バスが珈琲店「銀砂」の前を通ると、丁度この間の美少年が放心した様な顔に一筋何か悲しい影を泛べて、はいって行く所だった。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
未だ朝の内から「銀砂」に通って行くことが何か微笑ましく、思わず微笑すると、明日子も亦ぼくの顔を見て微笑した。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
黒髪が人並よりぐっと黒いので、まれに交っているわずかな白髪が、銀砂子のように奇麗に光る。
— 岡本かの子 『かの女の朝』 青空文庫
標準
white sand