臆する
おくする
動詞-サ変-特殊動詞-自動詞
標準
to be hesitant
文例 · 用例
その実態が、かくの如きものである以上、とてもそれは恥かしくて、口に出しては言えない言葉であるべき筈なのに、「恋愛」と臆するところ無くはっきりと発音して、きょとんとしている文化女史がその辺にもいたようであった。
— 太宰治 『チャンス』 青空文庫
そして臆することなく小母さんの方に面を向けた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
一通りの挨拶終つて後、夫人は愛兒を麾くと、招かれて臆する色もなく私の膝許近く進み寄つた少年、年齡は八|歳、名は日出雄と呼ぶ由、清楚とした水兵風の洋服姿で、髮の房々とした、色のくつきりと白い、口元は父君の凛々しきに似、眼元は母君の清しきを其儘に、見るから可憐の少年。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
慈善会場の客も主も愕然として視むれば、渠はするすると帯を解きて、下〆を押寛げ、臆する色なく諸肌脱ぎて、衆目の視る処、二布を恥じず、十指の指す処、乳房を蔽わず、膚は清き雪を束ね、薄色友禅の長襦袢の飜りたる紅裏は燃ゆるがごとく鮮麗なり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
真佐子と復一は円タクに脅かされることの少い町の真中を臆するところもなく悠々と肩を並べて歩いて行った。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
これを思うと筆はちょっと臆する。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
」 時に教頭胸を反らして、卓子をドンと拳で鳴らすと、妙子はつつと勇ましく進んで、差向いに面を合わせて、そのふっくりした二重瞼を、臆する色なく、円く※って、「御用ですか。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
あなたは臆するところ無く遊びます。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
作例 · 標準
例句