汗ばむ
あせばむ
動詞-五段-マ行動詞-自動詞
標準
to become slightly sweaty
文例 · 用例
上日がいいので、電車から橋を渡つて赤い鳥居の並んだ途をあるいて来る間に、全身は少し汗ばむ程であつた。
— 平出修 『二黒の巳』 青空文庫
御神輿の柱の、飾の珊瑚が※と咲き、銀の鈴が鳴据つて、鳳凰の翼、鷄のとさかが、颯と汗ばむと、彼方此方に揉む状は團扇の風、手の波に、ゆら/\と乘つて搖れ、すらりと大地を斜に流るゝかとすれば、千本の腕の帆柱に、衝と軒の上へまつすぐに舞上る。
— 泉鏡太郎 『祭のこと』 青空文庫
上等の小春日和で、今日も汗ばむほどだったが、今度は外套を脱いで、杖の尖には引っ掛けなかった。
— 泉鏡花 『若菜のうち』 青空文庫
だから、日向で汗ばむくらいだと言った処で、雑樹一株隔てた中には、草の枯れたのに、日が映すかと見れば、何、瑠璃色に小さく凝った竜胆が、日中も冷い白い霜を噛んでいます。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
」と少し顔を退けながら、せいせい云う……道を急いだ呼吸づかい、提灯の灯の額際が、汗ばむばかり、てらてらとして赤い。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
はた、辻の真昼どき、白楊にほひわななき、雲浮かぶ空の色|生あつく蒸しも汗ばむ街よ、あな音もなし、鐘はなほ鳴りもわたらね、炎上の光また眼にうつり、壁ぞ狂へる。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
あいにく天気つづきで、日中は汗ばむような陽気だから堪らない。
— 岡本綺堂 『虎』 青空文庫
彼の馬十が覗きしものにかあらむと心付けば、今更におぞましさ限り無く、身内に汗ばむ心地しつ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫