雄勁
ゆうけい
形容動詞名詞
標準
vigorous
文例 · 用例
肩や両脇を太紐で荒くかがって風の抜けるようにしてある陣羽織式の青海流の水着を脱ぐと下から黒の水泳シャツの張り付いた小初の雄勁な身体が剥き出された。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
彼女は肩を一つ揺つて、また、肉体の雄勁な感覚から自信を取り出して、真直ぐに歩きだした。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
ビルダデのこのヨブ攻撃は、殊に第四節の如きは、罵詈の語としては簡潔|雄勁にして、正に独創的の警句というべきである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
それを発展させ、開花させ人類のよろこびのために負うている一つの義務として、個人の才能を理解したループ祖父さんの雄勁な気魄は、その言葉でケーテを旧来の家庭婦人としての習俗の圧力から護ったばかりでなく、気力そのものとして孫娘につたえた。
— 宮本百合子 『ケーテ・コルヴィッツの画業』 青空文庫
境内一帯に、簡素な雄勁な、同時に気品ある明るさというようなものが充満していた。
— 宮本百合子 『長崎の印象』 青空文庫
第二次大戦中の十月記念日に、メーデーに、スターリンがおくった激励の挨拶の、あの人間らしい暖かい具体性、肺腑にしみ入って人々にソヴェト市民たる価値と歓喜とを自覚させるあの雄勁なリズムは、ソヴェト市民が、誇りとするにたりない詩であるだろうか。
— 宮本百合子 『政治と作家の現実』 青空文庫
雄勁であるからこそほとんど優美であり、堅忍でありえてはじめて湛えられる柔和の情感にみち、彼らの科学のようにリアリスティックであり、彼らの生産プランのようにテーマと様式の統一にたいして本気である、そういう文学が、彼らの偉大な勝利ののちに生みえないとどうして信じられよう。
— 宮本百合子 『政治と作家の現実』 青空文庫
散文家として比較すれば、鴎外の方が漱石より雄勁である。
— 宮本百合子 『バルザックについてのノート』 青空文庫