享楽的
きょうらくてき
形容動詞
標準
pleasure-seeking
文例 · 用例
だが、慧鶴はここでも宗教に対する疑いに輪をかける事蹟に出会って、彼は全くの享楽的なニヒリストになった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
十番館には、戦争犯罪容疑者として収容される前夜、青酸加里で自殺した遠衛公爵の三男坊が憂さばらしか、それとも元来享楽的なのか、時どき踊りに来るほか、数名の華族のいわゆる若様が顔を見せて、ある際物雑誌にその行状記を素ッ破抜かれた。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
であるから、単に言葉と感覚との享楽的二重奏とのみ観て、白秋に思想無しなどといふ認識不足の言に対しては、わたくしはただ微笑してゐればいいと思へる。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
)享楽的なポリネシア人の中でも特に陽気なのが彼等サモア人だのに。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
彼には、他人の家に宿食してからも、その享楽的な生活を更改することが苦痛らしく見えた。
— 菊池寛 『青木の出京』 青空文庫
こうした低級な享楽的要求に満ち満ちた浅草界隈に、こうした低級な享楽気分を売る店が出来るのは当然である。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
産児制限に依て象徴される、婦人の享楽的権利の主張は、医術と薬剤の発達でドシドシ貫徹されている。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
女のようでない、だがそれを知っている者にとって彼女は実に烈しく、だが子は生まない女であるというような手のこんだ、享楽的な感覚の追求は、現代デカダンスの大きい特徴である。
— 宮本百合子 『昨今の話題を』 青空文庫