享楽主義
きょうらくしゅぎ
名詞
標準
epicureanism
文例 · 用例
自由の利く者は誰しも享楽主義になりたがるこの不穏な世に大自由の出来る身を以て、淫欲までを禁遏したのは恐ろしい信仰心の凝固りであった。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
甚だしきは、かつてニイチェズムの名が、本能主義や享楽主義のシノニムとして流行した。
— 萩原朔太郎 『ニイチェに就いての雑感』 青空文庫
たとえば個人主義、社会主義、無政府主義、国粋主義、享楽主義、本能主義、自然主義、ダダイズム、ニヒリズムなど、いくらでも数えきれないほど無数にあるが、すべて「主義」と名称のつく一切のものは、各々の人が掲げるイデヤであって、その主観に取っての「あるべき世界」を思想している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
即ち当時のヒューマニズムは、故意に神聖|冒涜の思想を書き、基督教が異端視する官能の快楽を追い、悪魔視される肉体の讃美をして、すべての基督教道徳に反抗した為、彼等の標語「芸術のための芸術」は、それ自ら異端的の悪魔主義や官能的享楽主義やを、言語自体の中に意味するように考えられた。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
それは、八戒の享楽主義の底に、ときどき、妙に不気味なものの影がちらりと覗くことだ。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
だが、今は八戒の享楽主義の秘密への考察に耽っているわけにはいかぬ。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
墨子の流れを汲む世界的愛他主義が流行るかと思えば一方楊朱の一派は個人主義的享楽主義を高唱した。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
一例を挙げるならば、近き過去において自然主義者から攻撃を享けた享楽主義と観照論当時の自然主義との間に、一方がやや贅沢で他方がややつつましやかだという以外に、どれだけの間隔があるだろうか。
— 石川啄木 『時代閉塞の現状』 青空文庫