空相
くうそう
名詞
標準
the empty nature of all things
文例 · 用例
乗円 諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
伊留満喜三郎 何と諸法が空相とや。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
本来諸法が空相なら、何ぞ空を空ずるの相あらむや。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
希臘神話ではディオニソスとアポロの名で、又欧洲の思潮ではヘブライズムとヘレニズムの名で、仏典では色相と空相の名で、或は唯物唯心、或は個人社会、或は主義趣味、……凡て世にありとあらゆる名詞に対を成さぬ名詞はないと謂ってもいいだろう。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
何が勃興してゐるもんか、更に進歩しないと云つても宜しい、畢竟|空株の空相場が到る処に行はれたので一時に事業が起つたやうに見えたが、本と/\が空腹に酒を飲んだやうなものでグデン/\に騒ぎ立つた挙句が嘔吐を吐いて了うとヘタ/\に弱つて医者の厄介になると同様だ。
— 内田魯庵 『青年実業家』 青空文庫
わづらへる胸のうつろを煩惱の色こそ通へ、物なべて化現のしるし、默の華、寂の妙香、さながらに痕もとどめぬ空相の摩尼のまぼろし。
— 蒲原有明 『有明集』 青空文庫
やはり虚あり実あり、色相あり、空相あり、怒りあり、歓喜あり、信あり迷いある所こそ、世の中というものである。
— 第五分冊 『新書太閤記』 青空文庫
武蔵の円明二刀流の極意もまた、彼自身の書いた五輪書の空の巻の最後にいっている通り、兵法に実相と空相の二つあることを説いて、空ヲ道トシ、道ヲ空ト見ルベキナリ と、いっている。
— 吉川英治 『随筆 宮本武蔵』 青空文庫