妓楼
ぎろう
名詞
標準
brothel
文例 · 用例
窓という窓には眼隠しの板が張ってあって、何軒となく立ちならんでいる妓楼は、ただ真黒なものの高低の連なりにすぎないけれども、そのどの家からも、女のはしゃぎきった、すさんだ声が手に取るように聞こえていた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
彼等はおそらく其金を分配して、新宿の妓楼に足を入れたであらうと鑑定したのである。
— 岡本綺堂 『赤膏薬』 青空文庫
そこを出ると、妓楼が軒をならべている芝居裏の横丁であったが、何か胸に痛い様な薄暗さと思われた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
言葉を換えると、虚子は小坊主の運命がどう変ったとか、どうなって行くとか云う問題よりも妓楼一夕の光景に深い興味を有って、其光景を思い浮べて恋々たるのである。
— 夏目漱石 『高浜虚子著『鶏頭』序』 青空文庫
然るに竜池は劇場に往き、妓楼に往った。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
妓楼は深川、吉原を始とし、品川へも内藤新宿へも往った。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
また未だかつて妓楼に宿泊したことがなかった。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
子之助は天保九年に十七歳になった頃から、料理屋、船宿に出入し、芸者に馴染が出来、次で内藤新宿、品川の妓楼に遊んだ。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫