秘術
ひじゅつ
名詞頻度ランク #36515 · 青空 164 例
標準
secret art
文例 · 用例
いわゆるスモークボールを飛ばして打者を眩惑する名投手グローブの投球の秘術もやはり主として手首にあるという説を近ごろある人から聞いた。
— 寺田寅彦 『「手首」の問題』 青空文庫
舳櫓を押せる船子は慌てず、躁がず、舞上げ、舞下る浪の呼吸を量りて、浮きつ沈みつ、秘術を尽して漕ぎたりしが、また一時暴増る風の下に、瞻るばかりの高浪立ちて、ただ一呑と屏風倒に頽れんずる凄じさに、剛気の船子も※呀と驚き、腕の力を失う隙に、艫はくるりと波に曳れて、船は危く傾きぬ。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
スケートの秘術をつくして……弦を離れた矢のように一直線に……。
— 夢野久作 『怪夢』 青空文庫
おんなじようにスケートの秘術をつくして……一直線に……矢のように……。
— 夢野久作 『怪夢』 青空文庫
与五郎、鬼神相伝の秘術を見しょう。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
そうすると不思議にも、今まで恐怖という事を知らなかった名探偵が、極度にその極悪犯人を恐れるらしく、秘術を尽して逃げ惑うのを、犯人が又、それ以上の秘術を尽して逐いまわる。
— 夢野久作 『書けない探偵小説』 青空文庫
(――)僕への打擲はまだしもそれがきぬに加へられるときは、阿鼻叫喚の凄じさがこの少女と四十女との間に、あらゆる秘術を以つて行はれたのである。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
真槍で立ち向うならば、彼らも無下に負けはしまい、秘術を尽くして立ち向うに違いない。
— 菊池寛 『忠直卿行状記』 青空文庫