狂女
きょうじょ
名詞
標準
madwoman
文例 · 用例
私に附き添って居た者が気がついて私を診察室の方へ連れて這入ろうとした時に、廊下の突き当りの中庭を隔てた一棟の病房から、けたたましい狂女のあばれ狂う物音が聞こえ始めました。
— 岡本かの子 『病房にたわむ花』 青空文庫
函館の連絡船待合所に憐れな妙齢の狂女が居て、はじめはボーイに白葡萄酒を命じたりしていたが、だんだんに暴れ出して窓枠の盆栽の蘭の葉を引っぱったりして附添いの親爺を困らせた。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
本当の銀座の鋪道であんな大声であんな媚態を演じるものがあったら狂女としか思われないであろうが、ここは舞台である。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
自身番へ引っ立てられた時、かれは狂女を粧ってその場を逃がれる積りであるらしかったが、あとから彼の男と庄太とが大きい黒犬の死骸を引き摺って来たので、かれの狂言は結局不成功に終った。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
万一取り押さえられた場合に狂女を粧って巧みに逃がれようとする用心のためでもあった。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
聞いた歳よりはずつと大きく見える少女で、富家の子で榮養も好いのであらうが狂女の病的に發達しませた體躯の工合ひが十四、五歳位にも見える。
— 岡本かの子 『狂童女の戀』 青空文庫
手前ン許の狂女がな、不断そう云やがる事を知ってるから、手前だって尋常は通さないんだぜ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
狂女に食ものッてね、むしゃむしゃ食散らかされて堪るものかな。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫