裏声
うらごえ
名詞
標準
falsetto
文例 · 用例
また、心神顛倒は表情で見当がつくし、類死や病的半睡や電気睡眠でもけっしてないのだ」と云って、法水はしばらく天井を仰向いていたが、やがて変化のない裏声で云った。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
銅羅声は鈍重で粗野、猫撫声は陰険で多情、金切声は気まぐれで打算的、裏声は非常識で見栄坊……などと、少々独断にすぎるかもしれぬが、幾分思ひ当る節がないでもない。
— 岸田國士 『「語られる言葉」の美』 青空文庫
彼は一瞬考えて、それから、眼をきらきらさせ、まんざら悪くない声で、といっても、ときに裏声になって、裂けた葦笛の音のようになったが、面白い昔の唄をうたいだした。
— ワシントン・アーヴィング Washington Irving 『クリスマス・イーヴ』 青空文庫
おとするものは――アと歌って、盲人は首をひょいと前につき出し顔をしかめて、 鐘――エエばアかり――という一番高い節廻をば枯れた自分の咽喉をよく承知して、巧に裏声を使って逃げてしまった。
— 永井荷風 『深川の唄』 青空文庫
そう言うと、彼はくるりとソネートカの方へ向き直って、じぶんの外套の裾で彼女をくるんでやり、高らかな裏声でこんな歌をうたいだした。
— LEDI MAKBET MCENSKOVO UEZDA 『ムツェンスク郡のマクベス夫人』 青空文庫
」とクイーンがありったけの裏声をはる。
— ALICE IN WONDERLAND 『アリスはふしぎの国で』 青空文庫
――女に化けるかと仰しゃるんですか、それはもう、男姿よりは、女姿の方がピタリとする位で、地声は太い人ですが、裏声を使うと、どうしても女としか思えません」 女房の話は平次を驚かすに十分でした。
— 毒酒薬酒 『銭形平次捕物控』 青空文庫
つまり、鋭い、かえるのなくような声の、若いほうの女が、甘ったるい裏声のテノオルといっしょになって、欲情的な恋の二重唱を歌ったわけである。
— DER TOD IN VENEDIG 『ヴェニスに死す』 青空文庫
作例 · 標準
例句
ウィキペディア
裏声(うらごえ)は、声帯から生成される声のうち、一般的には頭声区と呼ばれる声区で生成される発声を指す概念。地声(表声)に対する語。
出典: 裏声 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0