ただ食い
ただぐい異読 タダぐい
名詞動詞-サ変多音語
標準
eating without paying
文例 · 用例
打ち水に濡れている暗い裏街をぬけて行く間も、彼はただ食い物を追うだけの自分を感じた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
しかるに幕府のとき政府のことをお上様と唱え、お上の御用とあればばかに威光を振るうのみならず、道中の旅籠までもただ食い倒し、川場に銭を払わず、人足に賃銭を与えず、はなはだしきは旦那が人足をゆすりて酒代を取るに至れり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
ただ食い物ばかりではない。
— 夏目漱石 『坊っちゃん』 青空文庫
その智力に至っては、ただ食い飲み羽蒲団に眠り、抱えの馭者を情夫にしている商人女と何ら択ぶところはない。
— ДУЭЛЬ 『決闘』 青空文庫
思うことは、ただ食いたいということだけ……これがわれわれの境界だ。
— 久生十蘭 『ボニン島物語』 青空文庫
結局、ただ食い荒し、飲み荒しただけで、ほかにはなんらの盗難もないということ。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
よくねえなあ、この頃の行者って奴あ、装恰好だけは、もっともらしく拵えて歩きゃあがって、作法も経文もろくそッぽ知らねえようなのが、ただ食い稼ぎに村へも時々入って来やがる。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫