食い逃げ
くいにげ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
leaving a restaurant without paying
文例 · 用例
近頃流行の「食い逃げ」である。
— 葉山嘉樹 『信濃の山女魚の魅力』 青空文庫
これら似た話があるから、皆嘘また一つの他は嘘というように説く人もあるが、食い逃げの妙計、娼妓の手管、銀行員の遣い込みから、勲八の手柄談、何度新紙で読んでも大抵似た事ばかりで、例の多いがかえってその事実たるを証明する。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
それから私が直ぐに跡をつけて行けばよかったのですが、柳屋は今夜が初めてで、わたくしの顔を識らねえ家ですから、むやみに飛び出して食い逃げだと思われるのも癪にさわるから、急いで勘定を払って出ると、あいにく又、日和下駄の鼻緒が切れてしまいました。
— 岡本綺堂 『真鬼偽鬼』 青空文庫
このことは、例えば、待合で食い逃げをした客にのこされたとき、おふみが「よかったねえ!
— 宮本百合子 『「愛怨峡」における映画的表現の問題』 青空文庫
正式の下宿屋は、何軒も食い逃げした揚句で、偽名でもしなければ置いてくれません。
— 豊島与志雄 『変な男』 青空文庫
大の男がよその庭を毎日スズメを追っかけて走り回るわけには行かないから、すくなくとも催眠薬でスズメをとらえるには、雀が食い逃げしてもなお自分の庭のうち、というだけの広い庭が必要で、ところがそういう広い庭があるほどなら何でも自給自足できて、雀を追ッかける苦労なぞは必要なしというものだ。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
宿へついて、お茶をのんで、お菓子をくって、温泉につかってとびだしただけだから、「要するに、君、ぼくは熱海の火事で、菓子の食い逃げしたようなものさ。
— 熱海復興 『安吾巷談』 青空文庫
食い逃げ、賊だと叫んでおる!
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫