凝塊
ぎょうかい
名詞名詞-の形容詞
標準
clot
文例 · 用例
それがみんなの胸に横たわる苦労の重い凝塊であった。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
彼は繩を綯ふにも草鞋を作るにも、其が或凝塊が凡ての筋肉の作用を阻害して居るやうで各部に疼痛をさへ感ずるのであつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
たとい表面は美しく自分の家へ引取っても、おかみさんの胸の奥に冷たい凝塊の残っていることは否まれない。
— 勘平の死 『半七捕物帳』 青空文庫
そのツルツルの禿頭は上框からノメリ出して、その真下の土間に夥しい血の凝塊が盛り上っている。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
そこにはまた、すこぶる珍らしいガラスの管と、結晶石の大きい凝塊と、小さい点のある鉄の綱と、琥珀と、非常に有力な天然磁石とが発見された。
— 貸家 『世界怪談名作集』 青空文庫
これを物界の上に考うれば、天地万有ことごとく理想の結晶、凝塊なるを信じ、これを人界の上に考うれば、皇室国体はまたみな理想の精彩光華なるを信ずるものなり。
— 緒言 『妖怪学講義』 青空文庫
現在の私とて、まだまだ一|向駄眼でございますが、帰幽当座の私などはまるで醜くい執着の凝塊、只今想い出しても顔が赭らんで了います……。
— 浅野和三郎 『霊界通信 小桜姫物語』 青空文庫
稀薄で、清浄で、殆んど有るか無きかの、光の凝塊と申上げてよいようなお形態をお有ち遊ばされた高い神様が、一|足跳びに濃く鈍い物質の世界へ、その御分霊を植え附けることは到底できませぬ。
— 浅野和三郎 『霊界通信 小桜姫物語』 青空文庫