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固まり

かたまり
名詞
1
標準
文例 · 用例
彼らは何事かを思い詰めると、狂人の如くその一念に凝り固まり、理想に淫して現実を忘却してしまうために、遂には身の破綻を招き、狂気か自殺かの絶対死地に追い詰められる。
萩原朔太郎 老年と人生 青空文庫
そのプロレタリア街の、製材所の切屑見たいなバラックの一固まりの向うに、運河があった。
葉山嘉樹 生爪を剥ぐ 青空文庫
吐く息が、そのまま固まりになってすぐ次の息に吸い込まれるような、胸の悪い蒸し暑さであった。
葉山嘉樹 淫賣婦 青空文庫
鍬は音を立てないように、しかしめまぐるしく、まだ固まり切らない墓土を撥ね返した。
葉山嘉樹 死屍を食う男 青空文庫
そして床のすみに小さく黄金虫のように固まりながら、「私たちはね、ほんとに心から『愛そう』と思う人を見つけることができないのよ。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
が、真夏などは暫時の汐の絶間にも乾き果てる、壁のように固まり着いて、稲妻の亀裂が入る。
泉鏡花 海の使者 青空文庫
甚だしい心配の度に腹に固い固まりが出来る彼女の習慣の、その兆しを下腹部に感じながら、彼女は洋燈を掃除した。
梶井基次郎 不幸 青空文庫
棒の先で屋根の下を掘ってみると、中から出たのは人骨か、獣の骨か、――ゴソゴソとひと固まり
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫