宵闇
よいやみ
名詞
標準
dusk
文例 · 用例
薄れ明るむ雲の垂れ幕とたそがれる宵闇の力とあらがう気象の摩擦から福慈岳の巨体は、巨体さながらに雲の帳の表にうっすり浮出で、または帳の奥に潜って見えたりする。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
何事が起ったかと胸に動悸をはずませて帰って見ると、宵闇の家の有様は意外に静かだ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
「いい具合に宵闇だ。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
仮装舞踊会のように私は日覆いして夜の明けるのを待ったのだが、タンゴの太い曲線が寝床の夢を誘うように、彼女が夢のなかで、宵闇せまればレジエント街の並木道を満艦飾の女が馬車でカールトン・バアで卸して頂戴ネと馭者に云う と、低唱しながら屡々、ちえ!
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
ここらは一種の寺町ともいうべきところで、両側に五、六軒の寺がむかい合っていて、古い練塀や生垣の内から大きい樹木の枝や葉の拡がっているのが、宵闇の夜をいよいよ暗くしていた。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
自分もその海水浴のときに「玉ラムネ」という生れて始めてのものを飲んで新しい感覚の世界を経験したのはよかったが、井戸端の水甕に冷やしてあるラムネを取りに行って宵闇の板流しに足をすべらし泥溝に片脚を踏込んだという恥曝しの記憶がある。
— 寺田寅彦 『海水浴』 青空文庫
あとに残されるものは淡くはかない夏の宵闇である。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
昼でも濛々として宵闇の膜の中に在るようだった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
作例 · 標準
日が沈み、あたりが宵闇に包まれ始めた。
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宵闇の中、一軒の家の窓から漏れる光が温かそうだった。
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森の奥では、宵闇とともに不気味な気配が漂い始めた。
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