暗々
あんあん
形容詞-たる副詞-と
標準
dark
文例 · 用例
晴れた空も梢のあたりは尋常ならず、木精の気勢暗々として中空を籠めて、星の色も物凄い。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
折からの雨はまた篠を束ねて、暗々たる空の、殊に黄昏を降静める。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
印度洋中の氣ぎて眞の闇――勿論先刻までは新月の微かな光は天の奈邊にか認められたのであらうが、今はそれさへ天涯の彼方に落ちて、見渡す限り黒暗々たる海の面、たゞ密雲の絶間を洩れたる星の光の一二|點が覺束なくも浪に反射して居るのみである。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
今、私は黒暗々たる印度洋の眞中に於て、わが弦月丸の後を追ふかの奇怪なる船を見てふと此樣事を想ひ出した。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
私は如何にもして、かの怪の船の正體を見屆けんものをと、身を飜して左舷船首に走り、眼を皿のやうにして其船の方を見詰めたが、月無く、星影も稀なる海の面は、百|米突――二百|米突とは距たらぬのに黒暗々として咫尺を辨じない。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
風の如く、電光の如く來りし海蛇丸は、また、風の如く、電光の如く、黒暗々たる波間に隱れてしまつた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
泡立つ波、逆卷く潮、一時は狂瀾千尋の底に卷込まれたが、稍暫して再び海面に浮上つた時は黒暗々たる波上には六千四百|噸の弦月丸は影も形もなく、其處此處には救助を求むる聲たえ/″\に聽ゆるのみ、私は幸に浮標を失はで、日出雄少年をば右手にシカと抱いて居つた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
吾等の叫聲は忽ち怒濤の響に打消されてしまつたが、只見る、黒暗々たる遙か/\の沖に當つて、一點の燈光ピカリ/\。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日暗々について考えている。
暗々という言葉は日本語で重要だ。
彼は暗々の意味を理解している。
この文には暗々が含まれている。