樹皮
じゅひ
名詞頻度ランク #39185 · 青空 148 例
標準
bark (of a tree, etc.)
文例 · 用例
かくてこのあはれなる木は、粗硬な樹皮を、空と風とに、心はたえず、追惜のおもひに沈み、懶懦にして、とぎれとぎれの仕草をもち、人にむかつては心弱く、諂ひがちに、かくてわれにもない、愚事のかぎりを仕出来してしまふ。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
『胸算用』には「仕かけ山伏」が「祈り最中に御幣ゆるぎ出、ともし火かすかになりて消」ゆる手品の種明かし、樹皮下に肉桂を注射して立木を枯らす法などもある。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
小屋は三間に四間を出でず、屋根も周囲の壁も大木の皮を幅広く剥ぎて組合したもので、板を用ゐしは床のみ、床には莚を敷き、出入の口はこれ又樹皮を組みて戸となしたるが一枚|被はれてあるばかりこれ開墾者の巣なり家なり、いな城廓なり。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃く樹皮は螺線状の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺を銜えて樹液を落している。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
幾百年と経った大木の樟は樹皮は禿げ、枝は裂けていい寂色に古びている。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
よく見ると、木の幹には、いくつとなく、小指の頭ぐらいの穴があいて、その穴の周囲の樹皮がまくれ上がりふくれ上がって、ちょうど、人間の手足にできた瘍のような恰好になっている。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
それが、大きな樹も小さな灌木も、みんなきれいに樹皮をはがれて裸になって、小枝のもぎ取られた跡は房楊枝のように、またささらのようにそそけ立っていた。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
道ばたの白樺の樹皮を少しはがしてよく見ると、実に幾層にも幾層にも念入りにいろいろの層が重畳している。
— 寺田寅彦 『軽井沢』 青空文庫
作例 · 標準
この地方の伝統工芸品は、カバノキの樹皮を丁寧に編み込んで作られている。
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樹皮を剥ぐと、中からみずみずしい形成層が現れ、生命の力強さを感じさせる。
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厳しい冬を乗り切るため、野生のシカたちがエサを求めて樹皮をかじっていた。
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ウィキペディア
樹皮 とは、一般用語としては、樹木(木本植物)の幹や枝の最外層を覆う死んだ細胞からなる組織を意味することが多い。ただし生物学や林学では、樹木において維管束形成層より外側にある組織をすべて含んだ意味で用いることが多い。この広い意味での樹皮は、維管束形成層から外側につくられた靭皮(二次師部)と、その外側にできたコルク形成層およびそれに由来する組織(コルク皮層、コルク組織)からなる周皮で構成されている。一般的な意味での樹皮は、周皮の外層にあるコルク組織におおよそ相当する。樹皮は内側から次々と形成されて表層から剥がれていくが、その裂け方や剥がれ方は植物種によって異なるため、種によって異なる外観を示す(下図1)。またコルク組織に覆われると空気の出入りが遮られるが、新たな分裂組織が形成されてコルク組織を突き破り、空気の出入り口となる皮目(ひもく)が形成される(下図1b)。
出典: 樹皮 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0