つり革
つりかわ
名詞
標準
strap (to hang onto)
文例 · 用例
」 もってのほか、穏和な声した親仁は、笹葉にかくれて、崖へ半ば踞んだが、黒の石持の羽織に、びらしゃら袴で、つり革の頑丈に太い、提革鞄を斜にかけて、柄のない錆小刀で、松の根を掻廻わしていた。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
洋装の極端に短い裾や、海水着から出た両足は、ただ美しい両足であるに過ぎないが、芸妓や娘の長い裾に風が当る時、電車のつり革から女の腕がぶら下る時、多くの男は悩みを感じることが多いように思えるのである。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
二つほど停留場を行った時に一人間の悪そうなかおをしてのった十九許りの制服を着て居ながら学生らしくない書生が私の前に一つあいて居たつり革にぶらさがりました。
— 宮本百合子 『芽生』 青空文庫
船にのりつけないじぶんの気まぐれかしら」 スミス警部は、首にかけた双眼鏡のつり革をいじりながら、ひとりごとをいった。
— 海野十三 『海底大陸』 青空文庫
電車の中では、つり革につかまらず、両脚を変な恰好にしてバランスをとり、会社の廊下のリノリュームに油を塗ったばかりだと、そこを滑って重役に衝突し、日曜日には縁側から張板を庭にかけ渡した上でクラウチの真似をやり、事務所の回転椅子では、ジャークド・クリスチャニアを練習する。
— 石川欣一 『山を思う』 青空文庫
」 つり革へ手の先だけをのこして、ひろ子は重吉に顔を近づけた。
— 宮本百合子 『風知草』 青空文庫
」 つり革にさがっている方の元禄袖で、重吉から半ば顔をかくすようにして黙りこんでしまったひろ子を重吉は見上げた。
— 宮本百合子 『風知草』 青空文庫
実業家山野|大五郎氏の夫人ともあろう人が、今ごろ満員電車のつり革にぶらさがっていようとは、あまりに意外なので、紋三はすっかり面喰った。
— 江戸川乱歩 『一寸法師』 青空文庫
作例 · 標準
通勤電車の急ブレーキでよろけそうになったが、とっさにつり革を掴んで難を逃れた。
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最近は抗菌加工されたつり革が増えたが、それでも直接触るのをためらって手袋をする人もいる。
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背が低い子供が、背伸びをしながら一生懸命につり革に手を伸ばそうとしている姿が微笑ましい。
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