吊り革
つりかわ
名詞
標準
文例 · 用例
仕方なく、アンブレラとお道具を、網棚に乗せ、私は吊り革にぶらさがって、いつもの通り、雑誌を読もうと、パラパラ片手でペエジを繰っているうちに、ひょんな事を思った。
— 太宰治 『女生徒』 青空文庫
省線電車の中に並んだ女達が慎ましく膝の上に揃えた指、乗合自動車の吊り革を掴む女達の指。
— 佐左木俊郎 『指と指環』 青空文庫
同じ吊り革にブラ下ったり、膝っ小僧で押合ったり、いろんな事が出来る。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
彼は吊り革に下つたまま下腹に力を入れてみた。
— 横光利一 『悲しみの代價』 青空文庫
電車に乗りましてもしじゅうガーゼを持っていていちいち吊り革につかまった手をふく。
— 倉田百三 『生活と一枚の宗教』 青空文庫
そこで吊り革にぶら下っていると、すぐ眼の前の硝子窓に、ぼんやり海の景色が映るのだそうだ。
— 芥川龍之介 『妙な話』 青空文庫
そこには顔も身なりも悪い二十四五の女が一人、片手に大きい包を持ち、片手に吊り革につかまっていた。
— 芥川龍之介 『年末の一日』 青空文庫
鴛鴦は勿論|姉の前の吊り革に片手を托してゐる。
— 芥川龍之介 『鷺と鴛鴦』 青空文庫