撞木
しゅもく異読 しもく
名詞
標準
T-shaped wooden bell hammer
文例 · 用例
梟が撞木に止まってまじまじ尤もらしい顔をしていたこともあった。
— 寺田寅彦 『鷹を貰い損なった話』 青空文庫
青年は、あるいは「釜中の鯉魚」と答え、あるいは「網を透る金鱗」と答えはするが、ついに鯉魚あるを知らず、おのれに身あるを知らず、眼前に大衆あるを知らずして、問いに対する答えの速かなること、応変自由なること、鐘の撞木に鳴るごとく、木霊の音を返すがごとく、活溌、轆地の境涯を捉えました。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
曉の霜を裂き、夕暮の霧を分けて、山姫が撞木を當てて、もみぢの紅を里に響かす、樹々の錦の知らせ、と見れば、龍膽に似て俯向けに咲いた、半鐘の銅は、月に紫の影を照らす。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
路は、あわれ、鬼の脱いだその沓を跨がねばならぬほど狭いので、心から、一方は海の方へ、一方は橿原の山里へ、一方は来し方の巌殿になる、久能谷のこの出口は、あたかも、ものの撞木の形。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
何とも可恐く腹が空いて、今、鐘を撞いた撞木が、杖になれば可いと思った。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
……撞木を当てて鳴る時は、凩にすら、そよりとも動かない、その池の水が、さらさらと波を立てると聞く。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
)村四五 撞木野郎、丸太棒。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
ざっとこれがために、半月悩んで、ようよう杖を突いて散歩が出来るようになりますと、籠を出た鳥のように、町を、山の方へ、ひょいひょいと杖で飛んで、いや不恰好な蛙です――両側は家続きで、ちょうど大崩壊の、あの街道を見るように、なぞえに前途へ高くなる――突当りが撞木形になって、そこがまた通街なんです。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
作例 · 標準
除夜の鐘を突くために、太い撞木が大きな反動をつけて梵鐘へと打ち込まれた。
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お寺の子供が遊び半分で撞木にぶら下がっているのを、住職が慌てて注意した。
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年季の入った撞木は、何度も鐘を叩かれたことで先端が少し潰れて丸くなっている。
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