羽織
はおり
名詞頻度ランク #38649 · 青空 4044 例
標準
haori (Japanese formal coat)
文例 · 用例
羽織袴を忘れずに、帽子はなるべくアミダに冠らないやうにして、六ヶ敷い顔をして、理想を前例に照して持つてゐれば、近所知己の評判は良いのでありませう。
— 中原中也 『我邦感傷主義寸感』 青空文庫
銘仙の袷に金紗の羽織を着、兎の毛で縁をとつたオールドローズの繻子の肩掛に寒々とくるまり、海老茶の袴を胸高く穿いてゐる。
— 中原中也 『三等車の中(スケッチ)』 青空文庫
そんな田舍臭い百姓歌の主人公が、灯ともし頃に羽織をきて、新宿の宿場を漂泊して居るやうな氣がした。
— 萩原朔太郎 『悲しい新宿』 青空文庫
ずいぶん痩せ細っているようであったけれども身丈は尋常であったし、着ている背広服も黒サアジのふつうのものであったが、そのうえに羽織っている外套がだいいち怪しかった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
きょうは学生服をきちんと着て、そのうえに、ぶくぶくした黄色いレンコオトを羽織っていた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
その前日、新宿の百貨店へ行って結納のおきまりの品々一式を買い求め、帰りに本屋へ立寄って礼法全書を覗いて、結納の礼式、口上などを調べて、さて、当日は袴をはき、紋附羽織と白|足袋は風呂敷に包んで持って家を出た。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
小坂家の玄関に於いて颯っと羽織を着換え、紺足袋をすらりと脱ぎ捨て白足袋をきちんと履いて水際立ったお使者振りを示そうという魂胆であったが、これは完全に失敗した。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
」私はわけのわからぬ言葉を発して、携帯の風呂敷包を下駄箱の上に置き、素早くほどいて紋附羽織を取出し、着て来た黒い羽織と着換えたところまでは、まずまず大過なかったのであるが、それからが、いけなかった。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫